イタリア語を最短で身につける勉強法は、勉強時間の大部分を、ほとんど理解できるイタリア語に使うことです。このようなイタリア語を「コンプリヘンシブル・インプット」と呼びます(くわしい解説)。ちょうどよい教材は力がつくにつれて変わるので、ここではレベル別に、使う教材と1時間の配分をまとめました。
レベルごとに、何をすればいいですか?
自分に近いレベルを探してください。バーは、1時間の勉強の分け方を表しています。
- レベル1
始めたばかり、または知っている単語がほんの少しです
読む・聞く 35 分. 復習 15 分. 話す 10 分.
東京外国語大学の会話モジュールで、あいさつの会話を日本語訳つきの動画で見ましょう。このサイトにある無料のカフェと市場のレッスンも読み、気に入った注文の一文を声に出します。
- レベル2
簡単なやり取りはできる
読む・聞く 40 分. 復習 10 分. 話す 10 分.
NHKの「まいにちイタリア語」初級編を聴き逃し配信で聞き、出てきた文を一つ選んで、人や場所を変えて言ってみましょう。レッスンでは訳を隠して読み、止まった単語だけを調べます。
- レベル3
馴染みのある話題の会話はついていける
読む・聞く 40 分. 復習 5 分. 話す 15 分.
市販の対訳本『イタリア語で楽しむ世界昔ばなし』で、白雪姫や三匹の子豚を音声と一緒に読みましょう。慣れたら、EasyItalianNews.comの音声つきの短いニュースに進み、読んだ内容を自分の言葉で話します。
- レベル4
大体わかるけどニュアンスは時々逃す
見る・聞く 45 分. 復習 5 分. 話す 10 分.
Easy Italianの街頭インタビューを、イタリア語の字幕で見ましょう。週に1回は、SBSの「Slow Italian, Fast Learning」でゆっくり読まれるニュースを聞きます。どちらも日本語訳はありません。
- レベル5
難しい内容も読めるが珍しい語で詰まる
読む・聞く 50 分. 話す 10 分.
Podcast Italianoの上級の回を書き起こしと一緒に聞きましょう。NHKの「まいにちイタリア語」応用編では、まとまったイタリア語の文章を日本語の解説で読み解きます。2026年秋の放送は、美術作品に描かれたイタリアの女性がテーマです。
- レベル6
ほぼネイティブ並みに読める
読む・聞く 50 分. 話す 10 分.
RaiPlay Soundで、イタリアの公共放送Raiのラジオやオーディオブックを楽しみましょう。小説や新聞も、学ぶためより読みたいから読む段階です。
レッスンがやさしく感じ始めたら1つ上のレベルへ進み、3行目までに話を見失うようなら1つ下に戻りましょう。勉強法の組み合わせはイタリア語のおすすめ勉強法で、楽な始め方はイタリア語のいちばん簡単な勉強法で紹介しています。
このサイトのイタリア語のレッスンには英訳がついています。語学アプリのBubblegumでは、AIの先生のPoppyがあなたのレベルに合わせてレッスンを書き、メニュー、訳、ノート、Poppyの答えは日本語です。ただ、辞書の単語の意味と文法の説明はまだ日本語に訳されておらず、英語で表示されます(英語の意味には小さく「EN」とつきます)。英語の説明がわかりにくい文は、Poppyに日本語で質問できます。最新の状況はイタリア語と日本語の組み合わせのページで確かめられます。
イタリア語を身につけるには、どのくらいかかりますか?
イタリア文化会館 東京のイタリア語総合コースでは、入門のA1から中上級のB2までの各レベルの学習時間を足すと、約445時間になります。イタリア文化会館はイタリア政府の文化機関で、このコースの授業は週1回90分です。コースのレベルは、外国語の力をはかるヨーロッパの基準CEFRに合わせてA1〜C2に分かれています。
| CEFRのレベル | 学習時間 | 週1回90分での期間 | A1からの合計 |
|---|---|---|---|
| A1 入門 | 約115時間 | 7学期、21か月 | 約115時間 |
| A2 初級 | 約100時間 | 6学期、18か月 | 約215時間 |
| B1 中級 | 約115時間 | 7学期、21か月 | 約330時間 |
| B2 中上級 | 約115時間 | 7学期、21か月 | 約445時間 |
| C1 上級 | 約165時間 | 10学期、30か月 | 約610時間 |
アメリカ国務省の外交官研修所(FSI)は、イタリア語を英語に近い言語のグループ(カテゴリーI)に入れていて、話す・聞く力の目標(ILRの3)までの目安を24週間としています。このグループの授業時間は552〜690時間で、ふつうの1週間は授業23時間と自習17時間です。これは英語を母語とする研修生についての目安です。日本語で学ぶ人には、東京で日本の学習者に教えているイタリア文化会館の時間のほうが参考になります。
1週間に勉強する時間ごとに、イタリア文化会館の学習時間をこなす期間をまとめました。
| 1週間の勉強時間 | A1まで(約115時間) | A2まで(約215時間) | B2まで(約445時間) |
|---|---|---|---|
| 3時間半 | 約7か月半 | 約1年2か月 | 約2年5か月 |
| 7時間 | 約4か月 | 約7か月 | 約1年3か月 |
| 14時間 | 約2か月 | 約3か月半 | 約7か月 |
| 28時間 | 約1か月 | 約2か月 | 約3か月半 |
この表は教室の授業時間をもとにした計算なので、ひとりで学んだときに同じ力がつくという意味ではありません。自分でイタリア語を読んだり聞いたりして理解した時間も、勉強時間に数えましょう。
イタリア語の上達を遅くするものは何ですか?
- 活用表だけで覚えるmangio、mangi、mangia(私は食べる、あなたは食べる、彼・彼女は食べる)を表で言えても、会話の速さで出てくると聞き分けられないことがあります。形は、場面のある文の中で何度も出会って覚えましょう。
- カタカナで音を覚えるカタカナでは、rとlの音を書き分けられません。caro(親愛な、値段が高い)とcalo(減ること)は、この音の違いで意味が変わります。単語は、音声で聞いたままの音で覚えましょう。
- 単語リストだけで覚えるよく使う500語のリストで訳は覚えられても、使い方や会話の中での聞こえ方はわかりません。単語は、意味のわかる文に出てきたときに覚え、その文と一緒に見直しましょう。
よくある質問
初心者には、どのイタリア語アプリがいいですか?
講座や先生のサービスまで比べたいときは、イタリア語アプリの比較を読んでみてください。
3か月でイタリア語は身につきますか?
あいさつやバールでの注文のような短いやり取りなら目指せます。週14時間なら3か月で約180時間で、イタリア文化会館のA1の学習時間(約115時間)より多く、A2までの合計(約215時間)より少し少ない時間です。
イタリア語は1週間にどのくらい勉強すればいいですか?
理解できるイタリア語を1週間に3〜5時間、1回15〜30分以上のまとまった時間で学びましょう。1回の時間が長いと、話の続きが気になるところまで読み進められるので、5分ずつ区切るより身につくことが増えます。くわしくは5分ずつより長く学ぶほうがよい理由(英語の記事)で説明しています。
日本語を話す人にとって、イタリア語は難しいですか?
読み始めは楽で、イタリア語のつづりはとても規則的なので、知らない単語でも声に出して読めます。時間がかかるのは、名詞の男性と女性、だれの話かで変わる動詞の語尾です。どちらも、理解できるイタリア語をたくさん読んで聞くうちに見えてきます。
Bubblegumは無料ですか?
はい。レッスンライブラリーは、だれでも無料で読めます。だれもが学べるようにしたいと考えているからです。ライブラリーには、ほかの学習者がPoppyに頼んだレッスンが集まっています。新しい自分用のレッスンを作るには実際にお金がかかりますが、最初の1つは無料です。Bubblegum Proなら、自分用のレッスンを制限なく頼めます。
出典
- イタリア文化会館 東京 イタリア語学校「コースレベルとレベルチェック」(イタリア語総合コースの各レベルの学習時間)
- イタリア文化会館 東京:イタリア語コース(対面とオンラインの授業)
- U.S. Department of State, Foreign Language Training(FSIの言語グループ。英語)
- 東京外国語大学 言語モジュール:イタリア語 会話モジュール「挨拶をする」
- NHK:まいにちイタリア語(初級編は月曜〜水曜、応用編は木曜・金曜。NHK FM)
- NHK:イタリア語の語学番組(らじる★らじるの聴き逃し配信は放送から1週間)
- IBCパブリッシング:イタリア語で楽しむ世界昔ばなし(イタリア語と日本語の対訳、音声つき)
- EasyItalianNews.com(やさしいイタリア語のニュース、音声つき)
- Easy Italian(街頭インタビューの動画。字幕はイタリア語と英語)
- SBS Italian:Slow Italian, Fast Learning(毎週のゆっくりしたニュース。書き起こしはイタリア語と英語)
- Podcast Italiano(書き起こしつき。サイトの案内は英語とイタリア語)
- RaiPlay Sound(イタリアの公共放送Raiのラジオ、ポッドキャスト、オーディオブック)
- Wiktionary(英語):caro(親愛な、値段が高い)
- Wiktionary(英語):calo(減ること、下落)
- Bubblegum:イタリア語と日本語の組み合わせの対応状況